
OURO事業部 部長
辻野 雄弥
プロフィール
OURO創業期より事業に参画。国内外の営業基盤をゼロから構築し、現在20カ国以上に広がる販売ネットワークの構築および拡張を実現。
年間取引高1600億円規模における取引判断を主導し、真贋判定、相場判断、販売先選定を含む意思決定を統括。商材面においても定番モデルから希少モデルまでの幅広い取引経験を有し、営業および事業成長を現場起点で牽引している。
https://brandouro.com/column/reviewer_yuuya_tsujino/
あなたは、今お持ちの時計を手放す日のことを考えたことがありましたか。
新しい一本を迎えたとき、相場のニュースを目にしたとき、あるいは日々の物価の上昇を肌で感じたとき。
腕に巻いている時間の中にも、ふと「この時計のその先」がよぎる瞬間があったかもしれません。
OUROがブランド腕時計の売却経験がある男性200名に実施した調査では、86.5%が「いずれ売ることも視野に入れて」時計を保有しているという実態が明確に浮かび上がりました。
数字の背景には、時計を「持ちながら出口も考える」という、新しい保有意識があります。

ここ1〜2年で腕時計を売ろうという意識・関心は変わったかを尋ねたところ、最も多かったのは「やや高まった」の33.5%でした。
「大きく高まった」28.5%を合わせると、62.0%が売却意識の高まりを実感しています。
一方、「大きく下がった」4.0%と「やや下がった」2.0%を合わせても6.0%にとどまりました。
この結果が示しているのは、ブランド腕時計の売却が一部の人に限られた特別な行動ではなく、より一般的な選択肢として意識され始めているということです。
相場の変動、生活環境の変化、次の一本への買い替え需要など、いくつもの要因が重なり、「売る」という選択肢がかつてより身近になっていると考えられます。
OUROの買取現場でも、ここ数年は「売るかどうかはまだ決めていないが、今の価値だけ知っておきたい」とおっしゃるお客様が増えている印象があります。
売却を決めてから動くのではなく、まず自分の時計の現在地を把握しておく。
そうした行動の変化が、この「やや高まった」という穏やかな意識の高まりに表れているのかもしれません。
一方で、「変わらない」と答えた方も32.0%と3割を超えています。
すべての人で一律に売却志向が高まっているわけではなく、「この一本は手放さない」と決めている方や、相場とは関係なく時計を楽しんでいる方も確かに存在します。
記念の年に手に入れた一本、長年連れ添ってきた一本。
時計には価格だけでは測れない価値があり、その向き合い方は人それぞれです。
売却意識の高まりと、変わらない保有方針。
その両方が併存していることこそが、ブランド腕時計という存在の奥行きを物語っています。

経済環境の変化(物価上昇・円安など)が腕時計を売ろうという判断に影響したかを尋ねたところ、「やや影響した」が45.0%で最多となりました。
「大きく影響した」30.5%を合わせると、75.5%が経済環境の変化の影響を受けたと回答しています。
「あまり影響しなかった」は16.5%、「まったく影響しなかった」は8.0%でした。
ブランド腕時計の相場は、国内の需給だけで決まるものではありません。
高級時計は世界中で取引されており、為替の動きや海外市場の需要が国内の買取価格にも反映されます。
円安の局面では海外から見た日本の時計の割安感が高まり、それが相場を押し上げる要因になることもあります。
また、物価上昇が続く中では、生活防衛や資金確保の観点から保有資産を見直す動きが起きやすくなります。
腕時計もその見直しの対象のひとつとして認識されていることが、この75.5%という数字から読み取れます。
OUROは世界20カ国以上に直接の販路を持ち、年間取引高は1,600億円にのぼります。
海外市場の動きを日々の取引の中で把握しているからこそ、為替や海外需要が査定額にどう影響しているのかを、具体的にお伝えすることができます。
ただし、注目したいのは回答の内訳です。
最も多かったのは「大きく影響した」ではなく「やや影響した」でした。
経済環境の変化は、多くの方にとって即座に売却を決める理由というよりも、「一度考えてみよう」と思うきっかけとして機能していると考えられます。
査定の現場でも、「円安で相場が上がっていると聞いたが、今売るべきなのか」という問いをよくいただきます。
その答えは一律ではありません。
モデルごとの相場の動き、個体の状態、そしてその時計を今後どう使っていきたいか。
相場が高い局面であっても、持ち続けることがより良い判断になるケースは少なくありません。
経済環境はあくまで判断材料のひとつであり、それだけで結論を急ぐ必要はないのです。

腕時計を含む手持ちの資産を現金化することへの関心について、以前と比べてどう変わったかを尋ねたところ、「関心が高まった」が57.0%で過半数を占めました。
「変わらない」は36.0%、「関心が下がった」は7.0%にとどまっています。
この結果から見えてくるのは、ブランド腕時計が趣味性の高い所有物であると同時に、必要に応じて換金できる「流動性のある資産」として捉えられているという実態です。
関心が下がったと答えた方が1割に満たないことも、その認識の広がりを裏付けています。
株式や投資信託と同じように、腕時計もまた「いざという時に価値を取り出せるもの」として意識されている。
これは、時計を身につける楽しみと、資産としての安心感を両立させたいという、現代の保有者の感覚を映しているのかもしれません。
資産として時計を捉えるならば、相場の高さだけでなく、「どのように売れるのか」という視点も欠かせません。
同じブランドでもモデルやリファレンスによって流通量は大きく異なり、付属品の有無や外装の状態によっても査定額には明確な差が生まれます。
OUROの買取現場でも、保証書や箱が揃っていたことで評価が上がり、「きちんと保管しておいてよかった」とおっしゃるお客様は少なくありません。
売却を意識した保有とは、日頃のちょっとした管理の積み重ねでもあります。
OUROが相場情報を継続的に発信しているのも、こうした保有中の判断に役立つ材料を届けるためです。

現在所有している腕時計を「いずれ売ることも視野に入れて」持っているかを尋ねたところ、「明確に視野に入れている」が46.0%で最多となりました。
「なんとなく意識している」40.5%を合わせると、86.5%が将来的な売却を意識しながら時計を保有しています。
「まったく考えていない」は13.5%でした。
この数字が示しているのは、ブランド腕時計の保有意識が「買って使う」だけのものから、「持ちながら出口も考える」ものへと広がっているという変化です。
もちろん、売ることを前提に時計を買っている方ばかりではないでしょう。
それでも、将来的な資産価値や売りやすさを無視せずに保有している方が9割近くにのぼるという事実は、ブランド腕時計が消費財と資産の両面を持つ存在として認識されていることをはっきりと示しています。
ここで目を向けたいのが、「なんとなく意識している」と答えた40.5%の方々です。
売却を意識してはいるものの、具体的な基準や時期まではまだ定まっていない。
そうした状態にある方が4割を占めているということは、多くの保有者が「判断するための材料」を求めていることの表れともいえます。
今の自分の時計はいくらで評価されるのか。
その価格にはどんな根拠があるのか。
今後、相場を動かしそうな要因は何か。
こうした情報が揃ってはじめて、「売る」「まだ持つ」という判断に納得感が生まれます。
OUROにお越しになる方の中には、「今日は売るつもりはなく、価値を確かめに来ただけ」とおっしゃる方が少なくありません。
10年以上のキャリアを持つ鑑定士が査定の根拠を丁寧にお伝えし、その上で「今は持ち続けた方がよい」とご提案することもあります。
問い合わせが売却である必要はなく、相談だけで終わってもよい。
出口を意識する保有者が増えている今だからこそ、そうした場の価値は大きくなっていると感じています。
今回の調査が示したのは、ブランド腕時計が単なる嗜好品ではなく、出口を意識しながら保有する資産として認識されつつあるという実態です。
62.0%が売却意識の高まりを感じ、75.5%が経済環境の影響を受け、57.0%が現金化への関心を高めている。
その積み重ねが、86.5%という保有意識につながっています。
OUROが大切にしているのは、売るかどうかの判断を含めて、お客様と「ともに判断する」ことです。
相場が動く局面だからこそ、煽らず、急がせず、ときには売らない選択肢もお伝えする。
その姿勢が、後悔のない取引につながると考えています。
あなたの時計の「出口」は、いつ、どのような形で訪れるのでしょうか。
| 調査名 | ブランド腕時計の売却意識と資産保有意識について |
| 調査期間 | 2026年4月14日〜2026年4月15日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象 | 20〜60代のブランド腕時計の売却経験「ある」男性 |
| 有効回答数 | 200名 |
| 実施主体 | 株式会社JUNIOR(OURO運営) |
- ここ1〜2年で売却意識が高まった人は62.0%、経済環境の影響を受けた人は75.5%
- 資産現金化への関心が高まった人は57.0%で流動性資産としての認識が浸透
- 86.5%が将来的な売却を視野に入れて時計を保有している
- 「なんとなく意識している」層は判断材料を求める傾向がある
- OUROは売却の是非を含めてともに判断する姿勢を大切にしている
