腕時計の風防とは?素材や加工の種類・修理方法も解説

腕時計の風防とは?素材や加工の種類・修理方法も解説

この記事の監修者

OURO事業部 部長
辻野 雄弥

プロフィール
OURO創業期より事業に参画。国内外の営業基盤をゼロから構築し、現在20カ国以上に広がる販売ネットワークの構築および拡張を実現。
年間取引高1600億円規模における取引判断を主導し、真贋判定、相場判断、販売先選定を含む意思決定を統括。商材面においても定番モデルから希少モデルまでの幅広い取引経験を有し、営業および事業成長を現場起点で牽引している。
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腕時計の風防というパーツは耳慣れない人も多いかもしれませんが、字を見ると何となく想像がつくでしょう。

目につきやすい時計部品「風防」は、どのような素材で作られていて、どんな加工の種類があるのでしょうか。

この記事では、腕時計の風防の素材や種類と見分け方を解説し、不具合が生じたときの修理方法を紹介しています。

腕時計の風防とは?どこの部分?

腕時計の風防とは、一般的に「腕時計のガラス」と呼ばれている、文字盤を覆う透明のカバーのことです。

風防の目的は、文字通り風を防ぎ、時間を表示する部分や内部の機械にホコリや水分が侵入するのを防ぐことです。

また、衝撃や光、水圧などから腕時計を保護する役割もあり、見た目だけでなく機能的にも重要な時計部品と言えるでしょう。

「ガラス」と呼ばれることが多い風防ですが、素材は本物のガラスだけではなく、合成サファイアやプラスチック素材で作られたものもあります。

風防の素材については、次の章で詳しく説明します。

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腕時計の風防の種類|素材

腕時計の風防の素材は、主に「ミネラルガラス」「サファイアガラス」「アクリルガラス(プラスチック)」の3種類に分類され、それぞれに特徴があります。

続いては、腕時計の風防に使われている素材と特徴を紹介します。

ミネラルガラス

ミネラルガラスは一般的な無機ガラスを加工した素材のこで、腕時計の風防に最も多く使われている材質です。

ミネラルガラスの特徴は、加工がしやすくコストも比較的安価なので、カジュアルな腕時計の風防ではミネラルガラスが採用されることが多いです。

ただし、ガラスなので硬度があまり高くなく、傷つきやすいというデメリットがあります。

衝撃で欠けたり傷がついたりしやすいので、腕時計に耐久性を求める方は、ミネラルガラスではない風防を選んだ方がいいかもしれません。

また、ミネラルガラスに強化処理を施したミネラルガラスは、強化ガラスやハードレックスガラスなどと呼ばれることがあります。

サファイアガラス

サファイアガラス、またはサファイアクリスタルと呼ばれる素材は、純度の高いアルミニウム「アルミナ」から作られたものです。

サファイアと呼ばれるのは、組成が宝石のサファイアと同じだからで、宝石でもガラスでもない鉱物に該当します。

ガラスより硬度が高いので、高級時計やブランド時計はサファイア風防が採用されていることが多いです。

また、サファイアガラスは硬くて加工がしにくいため、作るのにコストがかかりますが、丈夫で傷がつきにくいというメリットがあります。

ただし、コンクリートにぶつけるような強い衝撃を受けた場合は、派手に割れることもあります。

アクリルガラス(プラスチック)

腕時計の風防でアクリルガラスと呼ばれる素材は、プラスチックのことです。

アクリルガラス製のプラスチック風防は、ガラスの風防が普及する前の1940〜60年代の腕時計で、よく使われていました。

軽くて加工がしやすいのが特徴で、傷がついても研磨するときれいにできることもあります。

現代はアクリルガラスの風防はあまり見られなくなりましたが、アンティークの腕時計にはよく見られる素材です。

腕時計の風防の種類|加工

腕時計の風防の形状は、風防ガラスの加工方法により2つの種類があります。

大きく分けると「ドーム型」「ボックス型」に分類されるのですが、それぞれが特徴を持っています。

次は、腕時計の風防の加工による種類とその特徴を紹介しましょう。

ドーム型

腕時計の風防で内側と外側がカーブした形に加工されているものは「ドーム型」と呼ばれています。

ドーム型の風防は、表も裏もカーブがつけられているのが特徴で、素材はミネラルガラスやサファイアガラスなど、さまざまです。

その中でも特に、サファイアクリスタル素材でドーム型の風防は、ヴィンテージの腕時計には欠かせない時計部品とされています。

ボックス型

腕時計の「ボックス型」と呼ばれる風防は、外周部が立ち上がっているように加工された風防を意味します。

以前は、サファイアクリスタルのボックス型風防はとてもコストがかかるため、ドーム型風防の方が多い時代もありました。

また、ボックス型の風防はドーム型の風防と比較すると重量があるため、風防を支える防水パッキンを厚めに設計した腕時計が多いです。

ボックス型風防の腕時計を買う際は、パッキンのバランスをチェックした方がいいでしょう。

腕時計の風防の見分け方

腕時計の風防がミネラルガラスかサファイアガラスか判断する基準は、まず価格です。

一般的に高価格帯の腕時計にはサファイアガラスが採用されることが多く、それ以外の腕時計はミネラルガラス風防になっているものが多いでしょう。

他の見分け方としては、風防の表面に触ってみることです。

鉱石が原料のサファイアガラス風防はひんやりとしていますが、ミネラルガラスは常温に近い感触のことが多いでしょう。

ミネラルガラス製、アクリルガラス製(プラスチック)を見分ける方法は、風防に細かい擦り傷がある方が、アクリルガラスです。

また、風防の表面を指で軽くこすってみて、抵抗がない場合はミネラルガラス、抵抗を感じる方はアクリルガラスです。

腕時計の風防の修理や交換方法

腕時計の風防は最初に目が行くところなので、傷などの不具合が生じると気になりますよね。

欠けた破片が時計内部に入ったり、割れたところからホコリなどが侵入したりすると、腕時計の機能にも影響があります。

なるべく、早めに適切な方法で修理または交換するようにしましょう。

最後は腕時計の風防の修理や交換方法を紹介します。

傷がついてしまった場合

腕時計の風防に傷がついてしまった場合は、どのタイプの風防でも時計修理専門店やメーカーに相談することをおすすめします。

自分で何とかしようとすると、さらに傷がひどくなったり腕時計本体が壊れてしまったりする恐れがあるため、早めにプロに相談しましょう。

修理店やメーカーは研磨、または交換といった適切な方法をアドバイスしてくれますが、生産終了モデルはパーツが手に入らない場合もあります。

曇りや水滴が内側に発生した場合

腕時計の風防の内側に曇りが発生した場合は、何らかの原因で水分が侵入したと考えられます。

冬季のガラス窓にできる結露のように、気温差で一時的に曇る場合はあまり心配ありませんが、ずっと消えない場合は修理専門店でオーバーホールを依頼しましょう。

自分で分解して中を拭こうとするのは、故障の原因となる恐れがあるので、おすすめできません。

風防の内側に水滴が発生した場合は、風防に問題があるケース、保管場所など風防以外に問題があるケースが考えられます。

いずれにせよ、修理専門店でオーバーホールを依頼して、機械までトラブルが及ばないよう早めに対処しましょう。

腕時計の風防は時計の顔!素材や加工の種類を知ってお気に入りの一本を見つけよう

腕時計の風防は文字盤を覆う透明のカバーのことで、見た目だけでなく、時計内部に水分やホコリが入るのを防ぐ重要な役割を持っています。

風防の素材は大きく分けるとミネラルガラス、サファイアガラス、アクリルガラスの3つです。

また、加工の種類によりドーム型、ボックス型の2つのタイプがあります。

腕時計の価格帯の他、表面の様子を観察したり触れて見たりすることで、風防の素材を判断できるでしょう。

傷や曇り、水滴を見つけた場合は、修理専門店でオーバーホールを依頼してみましょう。

腕時計の風防の素材や加工の種類を知って、あなたのお気に入りの一本を見つけてみませんか。

この記事のまとめ
  • 風防は文字盤を覆う透明カバーのことで、ホコリや水分、衝撃などから腕時計を守る役割がある
  • 風防の素材にはミネラルガラス、サファイアガラス、アクリルガラスがあり、それぞれ傷のつきにくさや軽さ、加工のしやすさが異なる
  • 加工の種類にはドーム型とボックス型があり、形状の違いによって見た目や特徴も変わってくる