腕時計の時間の合わせ方|リューズの使い方から日付調整まで解説

腕時計の時間の合わせ方|リューズの使い方から日付調整まで解説

この記事の監修者

OURO事業部 部長
辻野 雄弥

プロフィール
OURO創業期より事業に参画。国内外の営業基盤をゼロから構築し、現在20カ国以上に広がる販売ネットワークの構築および拡張を実現。
年間取引高1600億円規模における取引判断を主導し、真贋判定、相場判断、販売先選定を含む意思決定を統括。商材面においても定番モデルから希少モデルまでの幅広い取引経験を有し、営業および事業成長を現場起点で牽引している。
https://brandouro.com/column/reviewer_yuuya_tsujino/

腕時計を久しぶりに使おうとしたときや、新しく購入したときに避けて通れないのが、時刻合わせです。

しかし、いざ調整しようとすると、リューズの操作方法や時計を壊さないための注意点がわからず不安になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アナログ、デジタル、そして電波時計まで、種類別の時刻合わせ手順や日付調整のコツを解説します。

お気に入りの腕時計を安全に、そして正確に調整しましょう。

腕時計の時間を合わせる基本手順【リューズの使い方】

腕時計の時刻合わせにおいて、最も重要なパーツが「リューズ」です。

多くの腕時計は、ケースの側面についている、この小さなつまみを操作することで針を動かしたり日付を変えたりします。

まずはリューズの基本的な役割と、操作する際の正しい引き出し方について理解を深めましょう。

リューズとは?位置と役割を解説

リューズ(竜頭)とは、腕時計のケース側面(一般的には3時位置)にある突起したつまみのことです。

もともとはゼンマイを巻くための部品でしたが、現代の腕時計では時刻や日付の修正を行うための役割を担っています。

リューズは非常に繊細な構造をしており、時計の内部機構と直結しているため、丁寧に扱わなくてはなりません。

時刻合わせ以外にも、モデルによっては曜日や月齢(ムーンフェイズ)の調整に使用されることもあります。

リューズの引き方と段数の違い

リューズの引き出し方には、一般的に0段・1段・2段の3つの状態があります。

通常の状態が0段目で、ここから軽く引くと1段目、さらに引くと2段目へと切り替わります。

1段目は日付や曜日の調整、2段目は時刻(短針・長針)の調整に割り当てられていることが一般的です。

ねじ込み式リューズの場合は、引く前にねじを緩める必要があるため、自分の時計がどのタイプかを確認してから操作しましょう。

アナログ腕時計の時間合わせ手順

アナログ腕時計の時刻合わせは、まずリューズを2段目(一番外側)まで引き出します。

ハック機能付きの時計であれば、秒針が12時の位置に来たタイミングで引き出すと、より正確な時刻合わせが可能になります。

次に、引き出したリューズを回して針を動かし目的の時刻に合わせますが、このとき針は時計回りに動かすのが基本です。

設定したい時刻の数分前まで進めてから、ゆっくりと正確な位置に合わせると、歯車の遊び(バックラッシュ)の影響を抑えられます。

最後に、リューズをしっかりと元の位置(0段目)に押し込めば時間合わせは完了です。

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【種類別】腕時計の時間の合わせ方

腕時計には、クオーツ式、機械式、デジタル、電波時計などさまざまな駆動方式があり、それぞれ時刻合わせの方法が変わります。

自分の愛用している腕時計がどの種類に該当するかを確認して、その特性に合わせた最適な方法で時刻調整を行いましょう。

クオーツ時計の時間合わせ

電池で動くクオーツ時計は精度が非常に高く、頻繁に時刻がずれることはありません。

しかし、電池交換後や長期間放置した後には調整が必要です。

基本的には、リューズを2段引いて針を回すスタンダードな手順で問題ありません。

ステップ運針(1秒ごとに刻む動き)をするモデルが多いため、秒針を0秒で止めてから時報に合わせてリューズを押し込むことで、秒単位まで正確に合わせることができます。

機械式時計(自動巻き・手巻き)の時間合わせ

機械式時計はゼンマイの力で動くため、数日放置すると止まってしまいます。

止まっている状態から合わせる場合は、まずリューズを0段目で回して、ゼンマイを十分に巻き上げてから操作を開始してください。

時刻を合わせる際は、特に日付が変わる前後の時間帯を避けることが重要です。

また、アンティーク時計など古いモデルでは、針の逆回しが厳禁とされていることもあるため、常に時計回り(順回し)で調整することを心がけましょう。

デジタル腕時計の時刻合わせ

液晶表示のデジタル腕時計は、リューズではなくボタンを使って操作します。

一般的には「MODE」ボタンを数回押し「時刻モード」に切り替えて、別のボタンで点滅している数値を変更します。

「ADJUST」ボタンで秒を0に戻したり、時・分を選択したりして調整する流れが一般的です。

カシオなどの多機能モデルでは、ボタンの長押しが必要な場合もあるため、液晶の表示をよく確認しながら進めましょう。

電波時計・ソーラー時計の時間合わせ

電波時計は標準電波を受信して自動で時刻を修正するため、手動での調整は基本的に不要です。

もしずれている場合は、強制受信ボタンを押して、電波を拾いやすい窓際などに数分置いておきましょう。

ソーラー時計の場合は充電不足によって時刻が遅れたり、秒針が2秒ごとに動く「充電警告状態」になったりすることがあります。

この場合は、時刻を合わせる前に、太陽光や蛍光灯の光に当てて十分に蓄電させることが先決です。

腕時計の日付・カレンダーの合わせ方

カレンダー機能付きの腕時計を使っていると、31日がない月の翌月などに、日付がずれてしまうことがありますよね。

日付の調整は、時刻合わせよりもデリケートな操作が必要で、間違ったタイミングで回すと内部のパーツを破損させる恐れがあります。

ここでは、日付や曜日を安全かつ正確に変更するための、具体的な方法を紹介します。

日付の合わせ方

日付を合わせる際は、まずリューズを1段引き出します。

リューズを回すと日付ディスクが回転するので、目的の日の「前日」に設定してください。

その後にリューズを2段引き出し、針を回して日付が当日に切り替わるまで進めます。

こうすることで、時計内部の午前と午後の認識が一致し、正午に日付が変わってしまうといったミスを防ぐことができるんです。

最後に、現在の正確な時刻まで針を進めて、リューズを押し込めば完了です。

曜日の合わせ方

曜日表示があるモデルは、リューズを1段引いた状態で日付と逆の方向に回すことで、曜日を切り替えるタイプが多いです。

日付同様、まずは前日の曜日に合わせてから針を回して、当日の曜日に切り替えましょう。

多言語表示(日本語と英語など)が可能なモデルの場合は、一度設定すればその後は選択した言語で固定されます。

夜中に曜日がゆっくり切り替わるタイプもあるため、焦らずに操作してみてください。

午前・午後を間違えないコツ

「朝起きたら日付が半分ずれていた」という失敗の原因は、午前と午後の取り違えです。

腕時計の12時は1日に2回訪れますが、カレンダーは1回しか変わりません。

これを防ぐためには、針を回して日付が変わる瞬間を確認するのが一番確実です。

日付が変わった直後は「午前0時過ぎの状態」なので、そこから現在の時刻が午前中ならそのまま、午後なら12時間経過させてから合わせるようにしましょう。

腕時計の時間を合わせるときの注意点

腕時計は精密機器の塊のため、力任せな操作や不適切なタイミングでの調整は、故障に直結します。

特に、「日付変更禁止時間帯」などのルールを知らずに操作してしまうと、修理代が高くつく原因にもなりかねません。

ここでは、腕時計を長く愛用するために、必ず守るべき注意点を3つに絞って解説します。

日付変更の禁止時間帯(20時〜4時)とは?

多くの機械式時計・クオーツ時計には、日付を直接操作してはいけない「禁止時間帯」が存在します。

一般的に夜8時から翌朝4時頃の間は、時計内部で日付を変えるための歯車が噛み合っている状態です。

そのため、この時間帯にリューズで日付を早送りしようとすると、歯車に無理な力がかかって折れてしまうことも。

日付を変えたいときは、一度針を動かして6時付近(安全圏)にしてから操作するのが鉄則です。

針の逆回しは故障の原因になる?

時刻合わせの際、進め過ぎた針を戻すために「逆回し」をしてもよいか、迷う方が多いかもしれません。

現代の多くの時計は、多少の逆回しで壊れることはありませんが、基本的には「時計回り」での操作が推奨されています。

特に、カレンダー機構が作動している時間帯の逆回しや、古いアンティーク時計での逆回しは歯車に過大な負荷をかけます。

数分程度の微調整なら慎重に逆回ししても構いませんが、大幅な変更は順回しで行いましょう。

ねじ込み式リューズの扱い方

ダイバーズウォッチなどに多いねじ込み式リューズは、そのまま引いても動かず、無理に引くとリューズ自体が脱落したり、ケースのネジ山が潰れたりすることも。

まずは、リューズを自分側に回してロックを解除し、ポコッと浮き上がった状態にしてから、引き出す操作を行ってください。

調整が終わった後は、リューズをケース側に押し込みながら時計回りに回し、最後までしっかりとねじ込んで、防水性能を確保することを忘れないでください。

腕時計の時間がずれる原因と対処法

時間を合わせてもすぐにずれてしまう場合は、何らかのトラブルが発生している可能性があります。

時刻のずれは単なる精度の問題だけでなく、磁気帯びや内部油の劣化、あるいは故障のサインであることも珍しくありません。

ここでは、時計の時間が狂う主な原因と自分で行えるチェック方法、そしてプロの修理に頼るべき判断基準についてまとめました。

時刻がずれる主な原因

腕時計の時間がずれる最大の原因は「磁気帯び」です。

スマ-トフォンやパソコン、スピーカーなどの磁石に腕時計を近づけると、時計内部のパーツが磁化して精度が乱れてしまいます。

他には、機械式時計であればゼンマイの巻き不足、クオーツ時計であれば電池の電圧低下の場合もあるでしょう。

これら以外にも、激しい運動による衝撃や温度変化が激しい場所に放置することも精度の悪化を招く大きな要因となります。

秒針のずれ(バックラッシュ)は故障ではない

アナログ時計を合わせる際、リューズを戻した瞬間に秒針や分針がわずかに動いてしまうことがあります。

この現象は「バックラッシュ」と呼ばれる歯車同士のわずかな隙間(遊び)によるもので、故障ではありません。

これを防ぐには、一度目的の時刻より5分ほど進めてから、ゆっくりと戻して合わせる手法が有効です。

 歯車の遊びをあらかじめ取っておくことで、リューズを押し込んだ後の針の動きが安定し、より正確な時刻設定が可能になります。

修理・オーバーホールが必要なケース

時間を合わせても毎日数分単位で大きくずれてくる場合や、リューズの操作感が極端に重い場合は、内部の潤滑油が乾いているかパーツが摩耗している可能性があります。

機械式時計は3年〜5年、クオーツ時計でも7年〜10年程度に一度のオーバーホール(分解掃除)を検討してみてください。

また、リューズが奥まで入らない、ガラスの内側が曇るといった症状がある場合は、防水性能が損なわれている可能性が高いため、早急に修理店へ相談しましょう。

腕時計の時間合わせに関するよくある質問

腕時計の時刻合わせについて、初心者の方が抱きがちな疑問をQ&A形式でまとめました。

日々のメンテナンスの一環として参考にしてください。

腕時計の時間合わせは秒針を12時で止めるべきですか?

必ずしも12時である必要はありませんが、12時(0秒)のタイミングで秒針を止めるのが最も一般的で正確です。時報やスマートフォンの時計が0秒になる瞬間にリューズを押し込むことで、秒単位までぴったり時刻を合わせることができます。ただし、秒針停止機能(ハック機能)がない時計の場合は秒針を止めることができないため、分針を合わせることに集中しましょう。

腕時計で31日がない月の日付調整はどうすればいいですか?

多くの腕時計は、31日のない月(2月、4月、6月、9月、11月)に対応しておらず自動では翌月へ切り替わらないため、翌月の1日の朝に手動で日付を修正する必要があります。この際も「日付変更禁止時間帯」に十分に注意し、安全な時間帯にリューズの1段引き操作で調整を行ってください。「パーペチュアルカレンダー」機能を搭載したモデルであれば、こうした月末の修正は一切不要です。

腕時計のカシオ・セイコー・シチズンで操作方法は違いますか?

アナログ時計のリューズ操作については、主要メーカーの間で大きな違いはありません。基本的には「1段引きで日付、2段引きで時刻」という世界共通のルールが適用されています。ただし、電波ソーラーモデルやデジタルの多機能モデルに関しては、メーカーやシリーズごとにボタンの配置や設定メニューの階層が異なります。迷ったときは無理に操作せず、公式サイトで公開されている取扱説明書を確認するのが最も確実でしょう。

腕時計のG-SHOCKの時刻合わせ方法は?

G-SHOCKの多くのモデルはデジタルまたはデジアナ(針とデジタルの併用)タイプで、ボタン操作が基本です。左上の「ADJUST」ボタンを長押しして設定モードに入り、右側のボタンで数値を増減させます。針がデジタルの時刻とずれている場合は、基準位置合わせ(H-SET)機能を使って針の位置をリセットする必要があります。衝撃に強いG-SHOCKですが、他の腕時計同様、操作部は精密に作られているので、ボタン操作は指の腹で優しく行いましょう。

正しく時間を合わせて腕時計を長く愛用しよう

腕時計の時刻合わせをする際は、リューズを丁寧に扱い、禁止時間帯を避けるといったルールを守りましょう。

そうすれば、大切な腕時計を故障から守り、その寿命を延ばすことができます。

自分自身の腕時計の種類や特性を正しく理解し、適切な方法でメンテナンスを行ってください。

正確な時を刻む腕時計は、あなたの毎日をより豊かで信頼できるものにしてくれるはずです。

この記事のまとめ
  • 正しいリューズの引き出し方(段数)と役割を把握する
  • 「日付変更禁止時間帯(20時〜4時)」には日付操作を行わない
  • 午前と午後を間違えないよう、一度日付が変わるのを確認してから合わせる
  • 磁気帯びや電池切れなど、時刻がずれる原因を知り適切に対処する
  • 自分で解決できない大幅なずれや不具合は、プロの修理・オーバーホールを検討する