
OURO事業部 部長
辻野 雄弥
プロフィール
OURO創業期より事業に参画。国内外の営業基盤をゼロから構築し、現在20カ国以上に広がる販売ネットワークの構築および拡張を実現。
年間取引高1600億円規模における取引判断を主導し、真贋判定、相場判断、販売先選定を含む意思決定を統括。商材面においても定番モデルから希少モデルまでの幅広い取引経験を有し、営業および事業成長を現場起点で牽引している。
https://brandouro.com/column/reviewer_yuuya_tsujino/
お気に入りの腕時計、きちんと保管できていますか?
「なんとなく机の上に置いている」という方は要注意です。
腕時計は精密機器のため、置き場所ひとつで寿命が大きく変わります。
本記事では、大切な時計を守るための保管方法8つと、収納時の注意点、保管に役立つアイテムを紹介します。
正しい保管を習慣にして、愛用の時計を長く使い続けましょう。
腕時計は、繊細な精密機器です。
内部には小さな歯車やパーツがぎっしり詰まっており、外部環境の影響を受けやすい構造になっています。
特に機械式時計は、保管環境によって精度が落ちたり、最悪の場合は故障したりすることも。
ここでは、時計を劣化させないために押さえておきたい、下記の8つの保管ポイントを解説します。
- 高温多湿を避ける
- 直射日光にさらさない
- 磁気に近づけない
- 乾燥剤と一緒に保管しない
- 保管しっぱなしにしない
- 落下の危険性がある場所は避ける
- 薬品(洗剤や接着剤等)の近くには置かない
- 振動が加わらない場所に置く
腕時計にとって、高温多湿は大敵です。
湿気が多い場所に長期間置くと、文字盤にシミや腐食が発生することがあります。
また、温度差が激しい環境では内部の金属パーツが膨張・収縮を繰り返し、故障につながるリスクも。
腕時計に適した温度は5度〜35度が目安とされています。
夏場の車内や浴室近く、冬場の暖房器具のそばなどは避けましょう。
保管場所は、人が冷暖房なしでも快適に過ごせる程度の常温で、風通しのよい場所がベストです。
涼しくて乾燥しすぎない場所を、意識して選んでみてください。
窓際など日当たりのよい場所に時計を置いていませんか?
直射日光に含まれる紫外線は、文字盤の日焼けや変色を引き起こします。
特に、革ベルトは紫外線によって乾燥が進み、ひび割れや色あせの原因にも。
基本的には、暗所での保管が理想です。
ただし、例外もあります。
ソーラー式時計は、光を当てて充電する必要があるため、半月に1度は日光に当てることが推奨されています。
お持ちの時計の駆動方式を確認し、それぞれに合った保管方法を選びましょう。
現代の生活には、磁気を発する機器があふれています。
スマートフォン、パソコン、テレビ、スピーカー、電子レンジ、冷蔵庫など、どれも身近な存在です。
これらの近くに腕時計を置き続けると、時計が磁気を帯びてしまい、時刻が進んだり遅れたりする原因になります。
やっかいなのは、一度磁気帯びを起こすと、専用の機器で「磁気抜き」をしない限り元に戻らないこと。
帰宅後、スマートフォンと一緒に時計を置く習慣がある方は特に注意が必要です。
磁気を発する製品からは、なるべく距離を取って保管しましょう。
「湿気がダメなら乾燥剤を入れればいいのでは?」と思うかもしれませんが、これはNGです。
乾燥剤は湿気を吸い取る力が強すぎるため、時計内部の潤滑油まで乾燥させてしまいます。
潤滑油が乾くと、歯車などのパーツ同士の摩擦が増え、摩耗や故障の原因になります。
同様の理由で、樟脳(しょうのう)や防虫剤、脱臭炭が入ったタンスや引き出しでの保管も避けましょう。
湿気対策は「風通しのよい場所を選ぶ」程度にとどめ、過度な乾燥環境には置かないよう心がけてください。
複数の時計を持っていると、つい使わないまま放置してしまうこともあるでしょう。
しかし、長期間動かさないでいると内部の潤滑油が固まり、パーツの動きが悪くなってしまいます。
機械式時計は、毎日使うことを前提に設計されているため、放置は大敵です。
使わない時計でも、月に1回はゼンマイを巻いて動かすのが理想。
少なくとも3ヶ月に1度は手に取って、きちんと動作するか確認しましょう。
クオーツ式であっても、定期的にケースから出して状態をチェックする習慣をつけておくと安心です。
腕時計は、小さな歯車が精密に組み合わさった構造をしています。
そのため、落下による衝撃には非常に弱く、たった一度落としただけでも内部が損傷することがあります。
机の端やテーブルの上に、無造作に置くのは危険です。
「いつもここに置く」という定位置を決め、落下の心配がない安定した場所を選びましょう。
不安定な場所は避け避け、できれば専用のケースやトレイを用意するのがおすすめです。
特に高級時計は、衝撃対策を意識した保管場所選びが長持ちの秘訣になります。
薬品と聞くと特殊なもののように感じますが、家庭にある日用品も含まれます。
たとえば、トイレ用洗剤、接着剤、マニキュア、除光液、シンナーなどです。
これらの成分が時計に付着すると、ケースやベルトが変色したり、素材が溶けたり、ひび割れを起こすことがあります。
液体が直接かからなくても、揮発した成分が時計に影響を与えるケースも。
洗面所やドレッサー周りに時計を置いている方は、化粧品やヘアスプレーとの距離にも気を配りましょう。
保管場所は、こうした薬品類から離れた場所を選ぶのが安全です。
落下だけでなく、継続的な振動も時計には悪影響を及ぼします。
振動が加わると内部のパーツがズレたり、精度に狂いが生じたりすることがあるためです。
これは機械式・クオーツ式を問わず注意が必要です。
意外と見落としがちなのが、車のダッシュボードに置いているパターン。
走行中の振動が常に伝わるため、時計の保管場所には向きません。
洗濯機や冷蔵庫など、振動を発する家電の近くも避けましょう。
自宅での保管場所は、静かで安定した場所を基準に選ぶことをおすすめします。
適切な環境を整えたら、次は保管アイテムにも目を向けてみましょう。
専用のケースやボックスを使うことで、ホコリや衝撃から時計を守り、より安全に収納できます。
ここでは、保管場所として活用できる4つのアイテムを紹介します。
用途や予算に合わせて、自分に合ったものを選んでみてください。
新しく保管アイテムを買わなくても、購入時に付いてきた箱があればそれで十分です。
特に、高級腕時計の箱は、時計を安全に収納できるようしっかりした作りになっています。
内側にクッション素材が使われていることも多く、傷や衝撃から時計を守ってくれます。
「複数本をまとめて収納したい」「自動巻きを止めずに保管したい」といった希望がなければ、まずは購入時の箱を活用するのがおすすめです。
ブランドによっては、箱自体がワインディングマシーン機能を備えているモデルもあります。
処分せず保管をしておくことで商品の付加価値も保たれますし、収納にも役立つでしょう。
出張や旅行のときに重宝するのが携帯用ケースです。
カバンの中で他の荷物とぶつかっても、ケースが緩衝材となって時計を守ってくれます。
修理やオーバーホールに出す際の配送時にも使えるので、ひとつ持っておくと便利です。
価格は数百円から購入でき、手軽に導入できるのも魅力。
1本用のコンパクトなタイプから、2本〜3本収納できるものまで、バリエーションも豊富です。
文字盤が大きい時計を持っている方は、幅と深さに余裕のあるケースを選ぶと良いでしょう。
自宅用とは別に、持ち運び専用として用意しておくのがおすすめです。
自動巻き時計を複数本持っている方におすすめなのが、ワインディングマシーンです。
時計をセットすると自動で回転し、ゼンマイを巻き上げてくれる仕組み。
しばらく着用しない時計でも止まることなく動き続けるため、次に使うときに時刻を合わせ直す手間が省けます。
また、定期的に動かすことで内部の潤滑油が均一に行き渡るため、時計のコンディション維持にも役立ちます。
1本用のシンプルなタイプから、複数本を同時にセットできる大型タイプまで種類はさまざま。
価格は数千円台後半から購入可能と、比較的お手頃です。
ただし、時計によって適切な回転方向や回転数が異なるため、購入前に自分の時計の仕様を確認しておきましょう。
時計を複数本コレクションしている方には、コレクションケースがぴったりです。
仕切り付きで時計同士がぶつからない設計になっており、傷を防ぎながらまとめて収納できます。
蓋がガラスやアクリルの透明タイプなら、収納したままコレクションを眺める楽しみも。
素材はレザー調、木製、アルミニウム製などさまざまで、アルミニウム製は電磁波を通しにくいため、磁気対策としても有効です。
収納本数も1本用から10本以上入る大容量タイプまで幅広く、数千円程度から購入できます。
インテリアとしても映えるデザインが多いので、部屋に飾りながら保管したい方にもおすすめです。
保管場所やアイテムを整えても、使い方を間違えると逆効果になることがあります。
特に「収納前の手入れ」と「ワインディングマシーンの使い方」は、見落としがちなポイント。
ここでは、保管時に押さえておきたい2つの注意点を解説します。
ちょっとした心がけで、時計の寿命は大きく変わります。
一日身につけた時計には、汗や皮脂、ホコリが付着しています。
そのまま収納すると、金属部分のサビやベルトの劣化を招く原因に。
たとえ短時間しか着用していなくても、ケースにしまう前に軽く拭く習慣をつけましょう。
手入れの基本は乾拭きです。
柔らかく清潔な布で、ケースやベルトの表面を優しく拭き取ります。
水を使った洗浄は、防水性能が高い時計であっても避けるのが無難。
水分が内部に侵入すると、故障の原因になります。
革ベルトの場合は、革用クリームを薄く塗ってから拭くと、汚れ落としとツヤ出しが同時にできます。
毎日のひと手間が、時計を長持ちさせる秘訣です。
自動巻き時計の保管に便利なワインディングマシーンですが、使いすぎには注意が必要です。
時計を常に回転させ続けることで、通常の着用時とは異なる部分に負荷がかかり、パーツの消耗が進む可能性があります。
「セットしたまま電源を入れっぱなし」という使い方は避けましょう。
週に数日は時計を取り出して実際に着用するなど、メリハリのある使い方が理想です。
ワインディングマシーンは、あくまで着用しない期間の補助と考え、頼りすぎないことが大切。
定期的に自分の腕で巻き上げることで、時計への負担を軽減できます。
腕時計の保管について、よく寄せられる疑問をまとめました。
「結局どうすればいいの?」という基本的な内容から、長期保管や手入れに関する具体的な質問まで、3つのQ&A形式で解説します。
保管方法に迷ったときの参考にしてください。
腕時計の正しい保管方法はありますか?
腕時計を長期間使用しない場合、どのように保管すればよいですか?
腕時計を保管する前に、特別な手入れは必要ですか?
腕時計は精密機器だからこそ、保管方法ひとつで寿命が大きく変わります。
高温多湿や直射日光、磁気を避け、落下や振動の心配がない場所を選ぶこと。
これが保管の基本です。
さらに、収納前の乾拭きを習慣にし、長期間放置せず定期的に動かすことで、時計のコンディションを良好に保てるでしょう。
保管アイテムは、購入時の箱でも十分ですが、用途に応じてコレクションケースやワインディングマシーンを取り入れるのも効果的です。
大切なのはなんとなく置くのではなく、時計に適した環境を意識すること。
正しい保管を続ければ、機械式時計なら数十年、メンテナンス次第では一生ものとして使い続けることも可能です。
今日から保管方法を見直して、愛用の時計を長く大切に使いましょう。
- 高温多湿・直射日光・磁気という、精密機器にとって三大NG環境の脅威
- 乾燥剤や薬品類との接触が招く、見落としがちな内部劣化と素材ダメージ
- 月に一度のゼンマイ巻きと収納前の丁寧な乾拭きが生む、長期保管の安心感
- 購入時の箱からワインディングマシーンまで、用途別に選ぶ最適な収納アイテム
- 正しい保管環境を意識した積み重ねが育てる、一生モノへの確かな道筋

