
OURO事業部 部長
辻野 雄弥
プロフィール
OURO創業期より事業に参画。国内外の営業基盤をゼロから構築し、現在20カ国以上に広がる販売ネットワークの構築および拡張を実現。
年間取引高1600億円規模における取引判断を主導し、真贋判定、相場判断、販売先選定を含む意思決定を統括。商材面においても定番モデルから希少モデルまでの幅広い取引経験を有し、営業および事業成長を現場起点で牽引している。
https://brandouro.com/column/reviewer_yuuya_tsujino/
憧れのロレックスを手に入れようと正規店を訪れたのに、「購入制限があるため販売できません」と言われてしまったら悲しいですよね。
実は2024年12月の規定改定で、ロレックスの購入に関するルールは一段と厳しくなっています。
しかし、ルールを正しく理解し、正規店以外の選択肢も知っておけば、希望のモデルを手に入れるチャンスは広がります。
この記事では、最新の購入制限ルールから購入制限の対象モデル、そして制限を避けて購入する具体的な方法までを徹底解説します。
ロレックスには、正規販売店における人気モデルの販売数量をコントロールする制度があります。
このルールはロレックスの転売対策として導入されており、購入者が公平にロレックスを手に入れられることを目的として設定されています。
ロレックスの購入制限とは、ロレックス正規販売店において一定の期間が経過するまで次の時計を買えないようにする仕組みです。
もともと2019年11月に購入制限がスタートした際、対象となったのは一部の人気モデルだけでした。
しかし2024年12月16日に大きな改定が行われ、限定的だった制限がすべてのモデルへと拡大されることになりました。
なかでも注目すべき変更点として、現金だけでの支払いが認められなくなり、購入者本人のクレジットカードを利用することが必須条件に加わっています。
正規販売店がこのような制限を設けた背景には、転売行為の横行があります。
近年のロレックス市場では、人気モデルが中古市場において定価をはるかに超える金額で売買されるケースが急増し、利益を目的に繰り返し購入する人が後を絶たない状況になっています。
このような状況下では、本当にロレックスを愛用したい一般ユーザーに腕時計が行き渡らず、ブランドの品位も低下しかねません。
こうした問題に歯止めをかけて正規販売の秩序を守るため、ルールの強化が進められています。
2024年12月16日を境に適用がスタートした改定内容では、制限にかかる期間や購入手続きの要件が明確になりました。
ここでは新ルールについて詳しくみていきます。
改定後のルールでは、どのロレックスであっても1回の来店で買えるのは1本のみとなっています。
さらに購入後は6ヶ月間どのモデルも購入できず、同じ品番の再購入になると1年間不可となります。
また、デイトナ、サブマリーナー、GMTマスターIIなどのSS素材の人気プロフェッショナルモデルの場合は、購入から1年が経過するまでは、別モデル・別品番を含め一切追加購入ができません。
加えて、同一品番については5年間のロックがかかり、仮にモデルチェンジが行われても後継モデルがその対象に含まれます。
正規店でロレックスを手にするためには、顔写真入りの本人確認書類を見せることが不可欠になりました。
使える書類は、運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真で本人と照合できるものに限られます。
さらに、制限の内容に納得した旨の同意書へのサインも必要です。
支払い方法としては本人名義のクレジットカードを使うのが原則で、現金のみの決済は受け付けてもらえなくなりました。
実はこの購入制限、日本のロレックス正規販売店が独自に運用しているものです。
スイス本社からの統一的な方針ではなく、あくまでも国内の正規店に限った取り決めとして存在しています。
そのため、海外のロレックス正規店ではこうした数量制限はほとんど見られず、複数本をまとめて購入できるのが一般的です。
とはいえ、デイトナやサブマリーナーなどの人気モデルについては海外でも争奪戦が過熱しており、日本以上に入手しづらい国もあるのが実情です。
ロレックスの購入制限が特に厳しく設定されているのは、人気が高く転売されやすいモデルです。
2024年12月の改定後はすべてのモデルが最低6ヶ月の待機期間の対象ですが、とりわけ需要の高いモデルに関しては制限が1年間まで引き上げられています。
1年間の待機ルールが課されるのは、ロレックスラインナップの中でも、とくに支持を集めている7つのモデルです。
コスモグラフデイトナは、ロレックスを代表するクロノグラフモデルです。
現行のRef.126500LNは2023年発表のニューバージョンで、自社製ムーブメントCal.4131が搭載されています。
文字盤カラーは、ブラックとホワイトの2色展開で、とくにホワイトダイヤルのほうが市場での人気が根強く、高値がつきやすい傾向にあります。
GMTマスターIIは、異なる2地域の時刻を文字盤上で同時に読み取れるトラベルウォッチです。
Ref.126710BLNRは青と黒のベゼルが印象的で、愛好家から「バットマン」のニックネームで親しまれています。
また、Ref.126710BLROは赤と青の配色が目を引き、「ペプシ」の通称で知られるGMTマスターIIの代名詞的な1本です。
Ref.126720VTNRは緑と黒のベゼルを持つ通称「スプライト」で、リューズを左側に配したレフティ仕様で話題を集めました。
サブマリーナーは、ロレックスが誇るダイバーズウォッチの代表格です。
Ref.124060は、カレンダー機能を省いたすっきりとした顔立ちが持ち味で、シンプルさを好むファンから支持されています。
Ref.126610LNは、日付表示付きの実用性が高い定番モデルで、通称「黒サブ」として長年高い人気を誇ります。
Ref.126610LVは「グリーンサブ」と呼ばれ、グリーンのセラクロムベゼルとブラック文字盤の組み合わせが人気です。
5年にわたるロック期間が設定されるのは、同一品番を再び購入しようとする場合です。
ステンレススチール製のデイトナ、GMTマスターII、サブマリーナーの各モデルが、5年間の再購入不可ルールの適用対象で、まったく同じ品番の時計を再度入手できるのは5年後以降になります。
さらに、メーカーがモデルチェンジを行っても、その後継品番へと制限が自動的に引き継がれる仕組みです。
この5年ルールは、とくに市場価値が高いモデルを、一人の購入者が繰り返し買い集めるのを阻止する狙いがあります。
同一モデルを短期間に複数本購入することを抑止して、より多くの購入希望者に行き渡ることを目的に設定されました。
5年というスパンで再購入を封じることで、転売を狙った購入行為への抑止力を高めています。
制限の対象になっているモデルには、いくつかの共通点が見られます。
制限対象モデルはいずれも需要が非常に高いモデルのため、正規店での定価に対して二次流通市場では大幅に高い価格で取引されています。
なかでもデイトナやサブマリーナーといったブランドの顔ともいえるモデルが、真っ先に制限リストに名を連ねており、いまだに品薄状態が解消されていないため、正規店での購入までに相当の時間がかかるのが現状です。
制限がかけられるモデルほど、正規店の販売価格と二次流通市場の相場との開きが顕著です。
たとえばデイトナRef.126500LNの場合、正規店定価と市場価値に約2倍の差が生じているケースもあります。
GMTマスターIIのRef.126710BLROも、正規店価格と市場相場には大きな乖離が見られます。
この価格差が転売を誘発し、購入制限の必要を生んでいます。
オイスターパーペチュアルやヨットマスターも6ヶ月制限が適用されますが、これらのモデルはデイトナやサブマリーナーほどの厳格な制限は設けられていません。
ただし2024年12月の改定で、ロレックスのカタログに載る全モデルがなんらかの制限下に置かれるようになりました。
購入後6ヶ月間は他のモデルも購入できなくなるため、計画的な購入が求められます。
ここからは、実際にロレックスを買いたいと考えている方が押さえておくべきルールの詳細を見ていきましょう。
待機期間の長さは、どのモデルを購入したかによって3段階に分かれています。
まずベースラインとなるのが、全モデルに一律で設定された6ヶ月の待機期間です。
どのリファレンスを選んでも、次に正規店で時計を購入できるようになるのは半年後からです。
ただしデイトナ、サブマリーナー、GMTマスターIIを購入した場合は待機が1年間に引き上げられます。
つまりこの3シリーズを購入すると、12ヶ月間は一切の新規購入ができないということです。
デイトナ・サブマリーナー・GMTマスターIIのいずれかを買った場合、まったく同じ品番を再購入できるようになるまでには5年間を要します。
メーカー側がモデルチェンジを実施して型番が変わったとしても、後継にあたるリファレンスは引き続き5年ルールの範囲内です。
「店舗を変えれば制限を回避できるのでは?」と考える方もいますが、結論からいえばそれは通用しません。
日本国内のロレックス正規販売店はすべて購入データを共有しており、どの店舗でいつ誰が何を買ったのかを一元的に把握できる体制になっています。
そのため、たとえば東京のA店で購入した直後に大阪のB店を訪れても、制限期間の最中であることはすぐに判明します。
エリアの違いを利用しても制限を逃れることはできません。
結論として、正規販売店の購入制限を回避する明確な方法は、確認されていません。
正規販売店では本人確認と購入履歴の確認が徹底されており、制限を無視して購入しようとする行為はルール違反として扱われます。
正規ルートでの購入を望むのであれば、定められた待機期間が明けるのを待つほかありません。
家族や知人の名義を分けた購入については、各店舗の運用により対応が異なるため、事前確認が必要ですが、購入できる可能性があります。
制限は個人の名義単位で管理されているため、別の人の名前で手続きを行えば購入自体は可能です。
ただし、その場合にも購入する本人の顔写真付き身分証明書とその人名義のクレジットカードが必要になる点は変わりません。
購入手続きでは、本人確認と支払い方法の双方に細かな条件が課されています。
カウンターで時計を受け取る際には、顔写真が入った公的証明書を必ず見せなければなりません。
対象となるのは運転免許証やマイナンバーカードなど、写真で本人確認が取れるもののみです。
もし有効な証明書を持参していなければ、その場では購入を断られるおそれがあります。
あわせて、購入制限に関する規約へ同意するサインを書面上で行う手続きもあります。
代金の決済では、購入する本人の名義で発行されたクレジットカードが基本的に求められます。
現金だけで全額を支払うことは認められなくなっており、カード決済を挟むことが条件です。
なお、本人名義のカードでの支払いに加えて現金を併用することは認められています。
正規店の制限があっても、ロレックスを入手する道は正規販売店だけに限りません。
別の販路を視野に入れることで、目当てのモデルを手にできるチャンスが生まれます。
国外のロレックス正規店は、日本国内の販売ルールとは異なる条件で運営されています。
海外のロレックス正規店には、日本のような厳密な購入本数の制限が基本的にありません。
渡航先によっては、国内で長期間待っても巡り合えないモデルがショーケースに陳列されていることもあり、欧州やアジアの一部都市で思わぬ出会いがあるかもしれません。
とはいえ、デイトナやGMTマスターIIなどの人気リファレンスは世界中で奪い合いになっており、海外だからといって簡単に手に入るわけではありません。
海外で時計を購入する場合には、その時点の為替レートに加え、現地の税制をあらかじめ把握しておく必要があります。
日本への帰国時に生じる関税や消費税のコストも忘れてはなりません。
たとえ免税制度を利用できたとしても、総額がいくらになるかを事前にシミュレーションしておくことが重要です。
加えて、購入国ごとに異なるメーカー保証の適用範囲やアフターサービスの体制も確認しておきましょう。
中古市場でロレックスを探す場合は、取引実績が豊富で信用力のある店舗を選ぶことが何より大切です。
また、二次流通品は、正規店価格を上回る値付けになっているケースもあるため、あらかじめ予算の上限を決めておくとスムーズに判断できます。
中古でロレックスを買うときに最も気をつけたいのが、その時計が正規品であるかどうかの見極めです。
実績のある買取専門店であれば、プロの鑑定士による真贋チェックが行われています。
シリアルナンバーやケースバックの刻印など、照合すべきポイントも押さえておくと安心です。
偽造品をつかまされるリスクを減らすため、取引件数の多い老舗店舗やブランド認定を受けた業者を選ぶのが無難です。
外箱、保証書(ギャランティカード)、コマの余りなど、付属品がどれだけ残っているかも必ずチェックしましょう。
付属品が揃っていると将来的な買取査定でも有利になり、保証書があれば真正品である証明にもなります。
モデルを受け取る前に、付属品それぞれのコンディションまで目を通しておくと後悔がありません。
ロレックスの購入制限は、正規販売店が転売行為の抑止を目的として運用しているルールです。
デイトナやサブマリーナなどの人気モデルには1年または5年の制限がかかりますが、購入方法は正規店だけではありません。
また、海外店舗では購入制限がなく、豊富な在庫から選べるというメリットがあります。
購入制限の内容を正しく理解して買取相場や査定のポイントをチェックしながら、自分に合った方法で憧れのロレックスを手に入れましょう。
- ロレックスは2024年12月16日から新ルールが適用され、全モデルが購入制限の対象となった
- 人気モデルのデイトナ、サブマリーナー、GMTマスターIIは1年の制限があり、同じ品番は5年間購入不可
- 購入時には顔写真付き身分証明書の提示と本人名義のクレジットカード払いが必須となった
- 買取専門店や時計買取店では購入制限がなく、豊富な在庫から選べるメリットがある
- 海外の正規店では基本的に購入制限が設けられていないが、人気モデルの入手は日本同様に困難

