腕時計の石数とは?読み方や意味・石数の確認方法や多いメリットを解説

腕時計の石数とは?読み方や意味・石数の確認方法や多いメリットを解説

この記事の監修者

OURO事業部 部長
辻野 雄弥

プロフィール
OURO創業期より事業に参画。国内外の営業基盤をゼロから構築し、現在20カ国以上に広がる販売ネットワークの構築および拡張を実現。
年間取引高1600億円規模における取引判断を主導し、真贋判定、相場判断、販売先選定を含む意思決定を統括。商材面においても定番モデルから希少モデルまでの幅広い取引経験を有し、営業および事業成長を現場起点で牽引している。
https://brandouro.com/column/reviewer_yuuya_tsujino/

機械式腕時計のカタログを眺めていると「21石」「JEWELS」といった表記を目にすることがあります。

この石数が、一体何を意味しているのかご存知でしょうか。

石数は、時計内部の精度や耐久性に深く関わる重要な指標です。

本記事では、腕時計における石数の読み方や意味、確認方法から、石数が多いことで得られるメリットまで詳しく解説します。

腕時計の石数とは?読み方や意味を解説

腕時計の石数(いしかず)とは、ムーブメント内部の軸受けに組み込まれている石の個数を指します。

英語では「JEWELS(ジュエル)」と表記され、裏蓋やムーブメントに「21 JEWELS」などと刻印されているのを見たことがある方も多いでしょう。

ここで使われる石は、主に人工ルビーです。

かつては天然のルビーやサファイアが用いられていましたが、1902年に工業レベルでの人工ルビー生産が始まって以降、コストや安定供給の面から人工石が主流となりました。

ルビーが選ばれる理由は、モース硬度9という高い硬さと、摩耗に強い性質を兼ね備えているからです。

ちなみにダイヤモンドは硬度10と最も硬い石ですが、加工が困難で高価であり、硬すぎて逆に金属パーツを傷つけてしまう可能性もあるため、現在では軸受けにはあまり使用されていません。

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腕時計の石数を確認する方法

腕時計の石数を確認する方法

石数を確認する方法は、主に3つあります。

  1. メーカー公式サイトや商品カタログのスペック欄を確認
  2. 正規店の商品ページに記載があるか確認
  3. シースルーバック仕様は裏蓋のガラス越しで確認

最も確実なのは、メーカーの公式サイトや商品カタログのスペック欄をチェックすることです。

正規店の商品ページにも記載されているケースが多いので、購入前に確認しておくとよいでしょう。

また、シースルーバック仕様のモデルであれば、裏蓋のガラス越しに見えるムーブメントの刻印で直接確認できます。

「21 JEWELS」「19 JEWELS」といった形式で表記されるのが一般的ですが、ブランドによって刻印のデザインや配置は異なるため、事前に確認しておくのが安心です。

廃盤モデルなどでカタログ情報が手に入らない場合は、このムーブメントの刻印が貴重な手がかりとなるでしょう。

腕時計の石数が多いとどうなる?メリットはある?

石数が多い腕時計には、いくつかのメリットがあります。

ただし、石数が多ければ多いほど優れているというわけではなく、一般的な自動巻きモデルであれば21石程度で十分に機能するとされています。

ここでは、石数が多いことで得られる具体的なメリットを3つの観点で見ていきましょう。

耐久性・安定性が向上する

石数が多いということは、それだけ軸受けの数が多いことを意味します。

軸受けに使われる人工ルビーは摩耗や摩擦に強いため、設置箇所が増えるほどムーブメント全体の耐久性が高まり、長期間にわたって安定した動作が期待できるでしょう。

ただし、機能面だけで考えれば、最低7石から17石あれば問題ないとされており、石数の多さが直接的に精度向上を保証するわけではありません。

素材の品質や加工技術が進歩した現代においては、石の数だけで時計の良し悪しを判断するのは難しくなっています。

複雑な機構が可能

石数は、ムーブメントの複雑さを示すひとつの目安にもなります。

時刻を表示するだけのシンプルな3針モデルに比べ、クロノグラフやカレンダー機能を搭載したモデルは内部パーツの数が増えるため、必然的に軸受けの数も多くなるのです。

また、手巻き式よりも自動巻き式、振動数の低いロービートよりも高いハイビートのほうが、石数は多くなる傾向にあります。

つまり、石数を見れば、そのムーブメントにどれほどの機構が詰め込まれているか、おおよその見当をつけることができると言えるでしょう。

見た目に高級感が出る

石数は、腕時計の見た目にも影響を与えます。

シースルーバックのモデルでは、裏蓋越しにムーブメントを鑑賞できますが、石数が多いとパーツの随所に赤く輝くルビーが配置されるため、華やかな印象になるのです。

近年はこうしたデザイン面での効果を狙い、装飾目的であえて多くの石を組み込むケースも見られます。

過去にはオリエントが、ルビー89個・サファイア11個の合計100石を搭載した「グランプリ100」というモデルを発売し、話題を集めました。

軸受け以外の部分にも石を配した、まさに「石数が多い=ハイグレード」という時代を象徴する一本です。

機能性だけでなく、所有する喜びを演出する要素として石数に注目してみても面白いでしょう。

腕時計の石数に関するよくある質問

腕時計の石数について調べていると、さまざまな疑問が浮かんできたのではないでしょうか。

ここでは、石数に関してよく寄せられる質問をピックアップし、わかりやすく回答します。

時計選びの参考にしてみてください。

腕時計の「石」とは何ですか?

腕時計における「石」とは、ムーブメント内部の摩耗しやすい箇所に補強として設置される人工ルビーのことです。歯車の軸と、地板・受け板が接する部分に組み込まれています。かつては天然のルビーやサファイアが使用されていましたが、現在はほぼすべてのモデルで人工ルビーが採用されています。人工ルビーはモース硬度9という高い硬さを持ち、摩擦や圧力に耐える性質があるため、軸受けの素材として最適です。シースルーバックの時計を裏返すと、ムーブメントの各所に赤く光る小さな点がこの「石」です。

腕時計になぜ「石」が必要なのですか?

機械式時計の内部では、複数の歯車が常に回転や往復運動を繰り返しています。それぞれの歯車には軸が通っており、軸は地板や受け板と接触しながら動き続けるため、摩耗が避けられません。この摩耗を放置すると、精度の低下や故障の原因になります。そこで登場するのが、人工ルビーの軸受けです。硬く摩擦抵抗の少ないルビーを軸受けに使用し、さらに油の皮膜で保護することで、パーツの消耗を最小限に抑えながら、スムーズな動作を維持できます。石は、時計の精度と寿命を支える縁の下の力持ちといえるでしょう。

腕時計は石数が多ければ多いほど、時計の性能は高いのでしょうか?

必ずしもそうとは言い切れません。確かに、石数が多いほど軸受けの数は増えますが、機能面では最低7石から17石程度あれば十分とされています。一般的な自動巻きモデルであれば、21石もあれば問題なく動作します。石数が極端に多い場合は、複雑機構を搭載しているか、装飾目的で追加されているケースがほとんどです。かつては石数の多さがグレードの高さを示す指標でしたが、現代では素材や加工技術が向上しているため、石数だけで性能を判断するのは難しくなっています。むしろ、どのような機構が搭載されているかを総合的に見ることが大切です。

クォーツ時計にも石は使われていますか?

はい、一部のクォーツムーブメントにも人工ルビーが軸受けとして使用されています。ただし、クォーツ時計は電池とICで制御されるため、機械式時計のように多くの歯車が複雑に連動しているわけではありません。そのため、石数は機械式に比べてかなり少なく、カタログなどで石数が強調されることもあまりないでしょう。石数の表記が注目されるのは、やはり機械式時計の世界が中心です。クォーツ時計の購入を検討する際は、石数よりも電池寿命や精度、機能性といった他のスペックに目を向けるとよいでしょう。

腕時計の石数は主に人工ルビーの個数のこと!石数も気にしてみよう

腕時計の石数とは、ムーブメントの軸受けに使用される人工ルビーの個数を表しています。

石は軸の摩耗を防ぎ、時計の精度と耐久性を長く保つために欠かせないパーツです。

石数が多ければ多いほど高性能というわけではありませんが、その数字からムーブメントの複雑さや設計思想を読み取ることができます。

また、シースルーバックのモデルでは、赤く輝くルビーが美しいアクセントとなり、所有する満足感を高めてくれるでしょう。

腕時計を選ぶ際は、デザインや価格だけでなく、石数にも目を向けてみてください。

時計の内側に込められた技術や工夫を知ることで、一本一本への愛着がより深まるはずです。

この記事のまとめ
  • ムーブメント内部の軸受けに組み込まれた、人工ルビーの個数を示す石数
  • 硬度9のルビーが摩耗と摩擦を抑え、精密な機械式時計の精度と寿命を守る縁の下の力持ち
  • 複雑機構の搭載数を映し出す指標として、ムーブメントの設計思想を読み解く手がかり
  • シースルーバック越しに赤く輝くルビーが演出する、所有欲を高める美しい内部景観
  • 石数が多ければ高性能とは限らない、現代の時計選びに必要な正しい知識と視点