
OURO事業部 部長
辻野 雄弥
プロフィール
OURO創業期より事業に参画。国内外の営業基盤をゼロから構築し、現在20カ国以上に広がる販売ネットワークの構築および拡張を実現。
年間取引高1600億円規模における取引判断を主導し、真贋判定、相場判断、販売先選定を含む意思決定を統括。商材面においても定番モデルから希少モデルまでの幅広い取引経験を有し、営業および事業成長を現場起点で牽引している。
https://brandouro.com/column/reviewer_yuuya_tsujino/
「お気に入りの腕時計がいつの間にかずれている」と気づいた瞬間は、ショックで不安になりますよね。
実は腕時計のずれには、設定一つで直るものからプロの修理が必要なものまで、いくつかの種類があるのです。
この記事では、腕時計がずれを引き起こす主な原因と、パターン別の正しい対処法を詳しく解説します。
大切な一本をこれからも長く愛用するために、まずは今の腕時計の状態を一緒にチェックしていきましょう。
腕時計のずれと一口に言っても、実は大きく分けて3つのパターンが存在するのです。
まずは自分の腕時計が以下のどれに当てはまるか、現状を正しく把握することから始めましょう。
腕時計のずれの中で代表的なのが、時間が少しずつ遅れたり進んだりする「精度のずれ」です。
機械式なら1日に数十秒、電池式なら1ヶ月に数十秒程度のずれは、時計の性能として許容範囲とされることもあります。
しかし、1日で何分も大きく狂う場合は、内部の機械にトラブルが起きているサインです。
精度が安定しない状態が続く場合は、ムーブメントが寿命を迎えていたり、お手入れが足りなかったりする可能性があるでしょう。
腕時計のずれには、針が目盛りから外れてしまう「位置のずれ」というパターンも存在します。
正確に時間を刻んでいても、針がスタートする場所が目盛りと食い違っている状態です。
強い衝撃を受けたり、磁石の力に引き寄せられたりしたときにこの症状が発生します。
特に針を電子制御している時計などは、内部データと針の位置がずれることがあるので注意が必要です。
腕時計のずれで意外と多いのが、日付が変わるタイミングが違う「カレンダーのずれ」です。
時計が壊れているわけではなく、単純に「昼の12時」を「夜中の0時」と勘違いしている状態といえます。
時計の内部は24時間周期で動いているので、午前と午後の設定を間違えるとこの現象が起きます。
リューズを操作して時間を一周分進めれば、すぐに解消できるずれだといえるでしょう。
また、「夜中の0時から数時間ずれて日付が変わる」不具合も存在します。
こちらは、日付変更の禁止時間帯にリューズ操作を行うと生じる故障です。
ムーブメントの修理が必要なため、こちらはプロに修理を依頼する必要があります。
腕時計の直し方を試す前に、まずはなぜ時間が狂ってしまったのかという根拠を知ることが大切です。
原因が特定できれば、同じトラブルを繰り返さないための対策も立てやすくなるでしょう。
腕時計がずれを引き起こす原因には、スマホやPCなどが原因となる「磁気帯び」というものがあります。
時計の内部にある金属パーツが磁石の性質を帯びてしまい、精度や針の動きを狂わせてしまうのです。
身近な電化製品に近づけすぎないことが大切なので、まずは磁気製品の近くに時計を置いていないか確認しましょう。
針が急激に早まったり止まったりする場合は、この磁気の影響を強く受けている可能性があります。
腕時計がずれを引き起こす原因には、電池残量の低下や内部の潤滑油切れといった寿命によるものがあります。
電池の電圧が下がってくると、針を動かす力が弱まって時間が少しずつ遅れ始めるのです。
また、長年使い続けていると内部の油が乾いてしまい、スムーズな動きを妨げる原因になります。
数年メンテナンスをしていない腕時計なら、単なる故障ではなく油切れによる不調を疑うべきだといえるでしょう。
衝撃による針の緩みや内部パーツの破損が原因で、腕時計がずれを引き起こすパターンもあります。
目に見える傷がなくても、強い衝撃が加わることで内部のパーツが外れたり、針が緩んで位置がずれたりするのです。
スポーツ中や作業中に腕時計をどこかにぶつけた記憶があるなら、それがきっかけで精度が狂っている可能性が高いといえます。
衝撃による内部の破損は自分では直せないので、早めにプロの点検を受けることをおすすめします。
腕時計がずれた原因がわかったら、次は実際に直す作業に入りましょう。
自分で解決できるケースも多いので、焦らずに以下の手順を試してみてください。
作業を始める前には、指先をきれいに拭いて時計に汚れがつかないように準備しましょう。
机の上に柔らかい布を敷いてから作業すれば、大切な時計を傷つける心配もなく、落ち着いて針の調整に集中できるはずです。
自分でできる腕時計のずれの直し方には、ストップウォッチ機能が付いたクロノグラフの針ズレを直す方法があります。
リューズを一段引き出し、ボタンを数秒間長押しすることで、針を1目盛りずつ動かして「0」の位置へ戻せるようになるのです。
モデルによって操作するボタンは異なりますが、基本的には右上のボタンで針を進めて調整する流れが一般的だといえます。
すべての針が真上の12時位置を指すように調整できたら、リューズを元に戻して完了です。
こちらの方法は「クォーツ式」に用いられる修正方法です。
機械式時計においても同様のずれが生じている場合は、プロに依頼する必要があります。
自分でできる腕時計のずれの直し方として、電波時計やソーラー時計で有効な「基準位置合わせ」という手順も覚えておきましょう。
基準位置合わせとは、強い磁気などでずれてしまった針の位置を、内部のデータと一致させるリセット作業のことをいいます。
やり方は、リューズを特定の段階まで引き出し、指定のボタンを長押しして針を「0時0分0秒」の位置に手動で合わせるだけです。
秒針が目盛りから微妙にズレているのなら、この基準位置を正しく設定し直すだけでピタッと合うようになるでしょう。
腕時計のずれの直し方で意外と忘れがちなのが、お昼に日付が変わる現象を解決する方法です。
このトラブルは時計が壊れているわけではなく、単純に「昼の12時」を「夜中の0時」と勘違いしているだけなので、時刻を12時間分進めるだけで直ります。
具体的には、リューズを二段引いて針を一周分回し、日付が切り替わるタイミングを実際の深夜に合わせて調整してください。
午前と午後の設定さえ正しくなれば、それ以降はお昼に日付が変わることはなくなるでしょう。
自分で色々な方法を試しても直らないときは、プロの時計修理店に相談するのが一番の近道です。
最後に、プロに任せるべき判断基準や修理にかかる費用の相場をわかりやすく紹介します
自分で無理に腕時計を直そうとすると内部のパーツを壊してしまうリスクがあります。
時計の部品は非常に細かくデリケートなので、知識がないまま分解すると元に戻せなくなる恐れがあるのです。
また、リューズを力任せに回したり裏蓋をこじ開けたりすると、防水性能が落ちてしまう可能性があります。
取り返しのつかない大きな故障を招かないためにも、難しいと感じたらすぐに作業をストップしましょう。
針が外れたり強い磁気を帯びたりしたときは、修理店に持ち込みプロに任せるようにしましょう。
針の付け直しや磁気抜きなら数千円程度の手頃な価格で対応してくれるお店が多いです。
作業時間も数十分から数日程度で済むケースが多いので、まずは見積もりをお願いしてみるのがいいでしょう。
自分専用の道具を揃えるよりも安く確実に直る場合があるので、プロの技術を賢く活用するのがおすすめです。
腕時計購入から数年が経ち、何度もずれを繰り返すようならオーバーホールが必要です。
オーバーホールとは、時計をすべて分解して掃除する作業のことで、電池式なら1万円以上、機械式なら最低3万円以上が相場となります。
高価に感じるかもしれませんが、劣化した油を差し直すことで腕時計の寿命をぐんと延ばすことができます。
大切な一本をこれからも長く使い続けたいのなら、数年に一度の健康診断として信頼できるプロに依頼しましょう。
腕時計がずれてしまう原因はさまざまですが、正しい知識さえあれば自分で直せるケースもたくさんあります。
まずは今の状態をじっくり観察して、今回紹介した手順を一つずつ丁寧に行ってみてください。
もし自分での解決が難しいと感じたら、無理をせずプロの力を借りることも大切です。
時計修理の専門家なら、自分では気づけない細かな不調も見つけ出して、最適な状態に戻してくれるでしょう。
お気に入りの腕時計を正しい状態で使い続けることは、その腕時計を大切に思う気持ちそのものだといえます。
この記事で学んだ対処法を活かして、これからもお気に入りの一本と一緒に、素敵な毎日を歩んでいきましょう。
- 腕時計のずれには精度・位置・カレンダーの3パターンが存在する
- 磁気帯びや電池切れ・油切れなど原因を正しく特定することが重要
- クロノグラフや電波時計は手順を守れば自分で直せる場合も多い
- 無理な修理は逆効果なので難しければ信頼できるプロに相談しよう
- 定期的なオーバーホールが大切な一本の寿命を大きく延ばしてくれる

